健保のしくみ

特別な治療・高度医療・入院室料・歯の治療(保険外併用療養費)

健康保険でできる歯の治療

歯医者

 歯の治療は健康保険で受けられます。ただし、健康保険で使える治療材料は定められています。
保険で認められる材料というと粗悪で長持ちしないような印象を与えますが、決してそういうことはありません。 医学上適切と認められる範囲で材料を定めてあり、物をかんだり、話をする歯の機能は充分回復され、日常生活に支障をきたすことはありません。
特別な材料を使った義歯等を入れる場合は保険診療の対象とはなりません。 自費診療となり、全額を自分で負担しなければなりません。 ただし、前歯上下各6本だけは、健康保険で認められている材料との差額を自己負担すれば保険で受けることができます。

  1. 保険診療

    健康保険で受けられる材料を使えば、材料差額負担を払わなくても治療できます。

  2. 差額診療

    健康保険では受けられない高価な材料を希望して、前歯のむし歯に金属の"つめもの"をしたり歯冠修復(かぶせもの)、さし歯等は「材料差額」のみ自己負担となります。

  3. 自費診療

    健康保険では受けられない材料を希望した場合その材料代に加えて、その治療のための技術料も自己負担になります。

歯冠修復(むし歯で欠けた部分をつめたり、かぶせたりする)

治療の種類・方法 保険でできる範囲と自費診療
充てん
むし歯の部分をけずり、穴へ材料をつめる。 初期のむし歯に行なわれる。
保険の場合
燐酸セメント、硅酸セメント、アマルガム、レジン(合成樹脂)、グラスアイオノマーセメント。
自費診療
金箔。
鋳造歯冠修復
むし歯で欠けた部分が大きくなった場合、型をとり金属で鋳造して元どおりにする。
保険の場合
金銀パラジウム合金、銀合金、14金合金(前歯ブリッジ支台歯のみ)。
自費診療
14Kを超える金合金、白金加金。
差額徴収
前歯部に金合金、白金加金を用いた場合。
金属冠
むし歯の穴が大きくて、充てんやインレーでは回復できない場合に金属の板を曲げて作る金属冠。
保険の場合
金銀パラジウム合金、銀合金、ニッケルクロム合金(智歯と前歯を除く臼歯のみに適用される)。
自費診療
金合金、白金加金。
継続歯(つぎ歯、さし歯)
前歯や小臼歯のむし歯が大きくなった歯冠部分を削り取り、人工の歯冠を継ぎたして、元どおりにする。
保険の場合
人工歯にはレジン歯と陶歯を用い、金属で裏うちするときの材料は14K金合金、金銀パラジウム合金、銀合金。
自費診療
14kを超える金合金、白金加金。
差額徴収
前歯部に金合金、白金加金を用いた場合。
ジャケット冠
永久歯の前歯に用いられ、天然の歯に類似した色調を持つ材料で、歯冠部の全表面を覆う。
保険の場合
レジン・硬質レジン。
自費診療
ポーセレン(特別の陶材)、メタルボンド(金属に陶材を焼付けたもの)。

欠損補綴(無くなった歯を人口歯で補い元通りにする)

治療の種類・方法 保険でできる範囲と自費診療
ブリッジダミー
なくなった歯の両隣りの歯を支台として、ダミー(なくなった歯の代わりの歯)と連結して固定する。
保険の場合
支持歯には鋳造歯冠修復、金属冠、継続歯等が使われ、 ダミーの材料は、14金合金(前歯のみ)、金銀パラジウム合金、銀合金、人工歯はレジン、陶歯が使われる。
自費診療
金合金、白金加金。
義歯(入れ歯)
とりはずしのできる歯。
歯が全部ない場合の総義歯と部分的にない場合に残った歯に鉤(バネ)をかけて作る局部義歯がある。
保険の場合
床はレジン、人工歯はレジン歯、陶歯。
ばね
2歯欠損まで14K銀合金、3歯以上は金銀パラジウム合金、コバルトクロム合金等。
自費診療
床を金属で作る。
ばね
14kを超える金合金または白金加金。